サヤ取りと一般の投資法の違い

サヤ取りと一般の投資法の違い

サヤ取りと一般の投資法の大きな違いが注文方法です。この部分を詳細に説明します。

サヤ取り売買の流れ

サヤ取りの売買の流れを簡単にまとめてみました。

サヤ取り 図解

一般的なサヤ取りでの売買の流れがこうなります。通常の売買とは違う特徴に気づくと思います。

  • 売りと買いの両方のポジションを持つのが基本
  • 両方のポジションを持つので、一方的な暴騰や暴落での大損は少なそうだ

などなどです。売りと買いの両方のポジションを作った後に、決済も両方同時に行ないます。この時に「合計で利益を出す」というのが基本的な考え方です。

よくこういう質問を頂きます。

これ、利益のほうだけ決済しておいて、損の方は利益になってから決済したら駄目なの?

これは「絶対に駄目」です。サヤ取りで失敗する人のほとんどがそれで駄目になるのです。損が膨らむことが多いのです。

この辺は、サヤ取りに限らず「FXでなぜ儲かっている人が少ないのか」にも通じる部分がありますのでちょっとご説明します。

小利大損 投資家の本能

  • 投資家は小さな利益で決済したくなる。
  • 投資家は大きな損は決済できずに抱え込んでしまう。

私も含め投資家の本能はこうなっているといわれています。

「小利大損」

これが私達一般投資家の本能です。普通の方が株やFXを始めても時間がたつとほぼ100%の割合で損が増えていくのはこの本能があるからとも言われています。

この心理構造は、最近の行動経済学などで科学的にも証明され始めています。

「投資家は普通にやれば損をするのが普通」

これが、正しいFXなどの投資に対する認識と言えます。

こう書くとちょっと慌てる人がいるかもしれませんが、別に心配は要りません。投資とはこういうものだと知っておけば対策が立てられます。

これ自体は特に問題ではありません。

問題は「本能から出ている損を大きくし易い投資行動」です。典型的な「損を大きくする行動」をしないようにすれば、大損は防げ資産を増やし易くなります。

「サヤ取りで利益のあるポジションだけ決済する」

この行為も「損を大きくし易い投資行動」の一つです。サヤ取りでは、両方のポジションを作ることで「堅実な利益」を積み上げていきます。

サヤ取りは、最初から「利益のポジション」と「損のポジション」の両方が発生するのを前提としています。

  • 売りと買いの両方があるからリスクは低い。
  • 損のポジションは利益のポジションのための必要経費のようなもの。
  • 損のポジションは利益のポジションの引き立て役

てな感じです。利益のポジションを決済して損のポジションを残すことは、恐らく頭の中にこういう考え方があるはずです。

「この損のポジションは、もう少しすると利益になるかもしれない。そうなったら勿体無い。」

不思議とこの発想は裏目に出ます。「小利大損」の投資家本来の本能が深く関わっているように感じます。

「欲を出してルール破りをするといずれ必ず失敗する」

これは、FX失敗のもっとも多い原因の一つです。サヤ取り成功のためにこの誘惑は必ず我慢していきましょう。

まとめ

「サヤ取り売買の流れ」

全体の流れの図を用意してみました。サヤ取り理解の参考になれば幸いです。

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