閑話休題:ギリシャ危機に・・・明日はわが身

閑話休題:ギリシャ危機に・・・明日はわが身

今後の世界通貨変動に大きな影響を与えると思われるギリシャ財政危機について書かせてください。2010年に起きたギリシャ危機の事例などは為替変動に大きな影響を及ぼす一つの大きな参考となります。

サヤ取りの連載をちょっと中断して、私なりの見解と対策を書かせて頂きます。

日本との類似性

ギリシャの財政危機の記事で、目先の為替変動だけでなく「今後の日本はどうなるのか、対岸の火事ではない」と感じた方も多いと思います。1000兆円に届こうとしている日本の赤字が将来私達の生活に深刻な影響をもたらすであろう事は、もう多くの日本人が感じていると思います。

参考記事:ギリシャ財政危機と日本

これからギリシャで起こる事は、将来私達の身に起こる事を予測するための重要な事例となります。今回は、記事を読みながら対策を考えてみたいと思います。近い内にギリシャで起きそうな事態は以下の記事が参考になると思います。

参考記事:ギリシャ、財政再建の前途多難

国民生活の大きな変化を抜き出すと以下の3つになります。

  • 消費税増税
  • 公務員の年収最大3割削減
  • 年金の受給額3割削減

ギリシャは、勤労者にしめる公務員の広津が25%と異常に高く「4人に1人が公務員」でした。これらの政策は実施されれば財政赤字削減に大きな効果がありそうです。

勿論、実施にはかなりの抵抗が予想されます。しかし、やらざるを得ないだろうと思われます。

これらによって日常生活で起きると予想される変化もあります。

「物価上昇」

「税金増による企業の収支悪化などによる民間企業での給与減少」

収入が減り、税金が増えて、物価が上昇する、この大きな流れが暫くは続くことになりそうです。

大変ですよね。

でも、ギリシャはまだ救われているんです。

ユーロ諸国が助けてくれるからです。通貨がユーロという大きな傘に入っているから通貨暴落しないで済んでいるのです。

財政援助も受け易いというメリットもあります。

もしも、ギリシャがユーロの傘の中に入っていなければ状況はもっと深刻だったはずです。

ギリシャは、ユーロになる前は「ギリシャ・ドラクマ」という通貨でした。もしも、ギリシャがユーロに加入しないで今回の危機となったら「ギリシャ・ドラクマ」は大暴落していたと思われます。

通貨が大暴落すれば、輸入に頼っている野菜などは更に暴騰する事になって国民生活には更に深刻な影響が出てきます。

日本はそうなるかもしれないのです。

日本が同じ状況になっても本気で助けてくれる国はちょっと見当たりませんよね。ここは、私達ナリの出来るだけの対策を打っておくべきだろうと思います。

私は現状以下の対策をうっています。

日本の財政危機対策

ここまでをまとめると、ギリシャと同じ状況が日本で起きた時の私達への影響としては以下のようなものが考えられます。

  • 消費税増税
  • 公務員の年収最大3割削減
  • 年金の受給額3割削減
  • 日本円の暴落
  • 円暴落と消費税増税による急激な物価上昇」
  • 税金増などによる民間企業での給与減少

今出来る対策 ギリシャ危機に学ぶ資産防衛

今出来る事としては私達自身の「資産防衛」での対策でしょう。

「資産の配分を通貨単位で管理する」

「土地・金融資産など日本円に偏りすぎないように注意」

日本で同様の事が起きれば、日本円の暴落がほぼ100%の確率で起きます。その暴落の割合はとても大きなものになると想定されます。

例えば、1米ドル=100⇒200円

などという動きが数ヶ月で起きるかもしれません。こうなった時に、金融資産のほとんどが日本円となっていると、日本と一緒に資産価値も暴落してしまいます。

2割でも3割でも外貨建て資産にしておけばその暴落の影響を少しでも減らせるはずです。外貨建て資産とは、「外貨預金」「外貨現金「海外投資信託」「FXでの日本円売り長期ポジション(所謂スワップ放置口座のポジション)」などです。

参考までに申しあげておくと・・・

私の外貨建て資産の割合は現在全資産の約7割の水準です。FXと外貨預金を中心に日本円の金融資産を円高のたびに増やしています。

今後も「円高相場」の度に増やし続けていく予定です。

今回も、ユーロが大きく下がっていくようであれば、私はユーロを買う予定です。ユーロは短期的に大きく下げても、そう簡単に崩壊するようなものではないからです。

逆に考えれば、今回の危機によって「ユーロの危機管理の枠組み」は更にしっかりとしたものになり、数年後にはユーロの力は更に強くなる可能性も高いと思っています。ユーロは過去30年以上にわたり今回のような危機が起きるたびに強くなってきたからです。

日本がギリシャのような状況となれば、私達が想像もしない為替変動が起きる可能性もあります。その時に慌てても手遅れとなるかもしれません。私自身は、今後も少しづつ外貨資産を増やし続けて将来の日本円暴落に備えておくつもりでいます。

これと平行して「運用技術」を磨いておきます。

日本の年金が本当に崩壊すれば、頼れるのは「己の運用力」しかありません。今連載中の「サヤ取り」を含め、どんな激変にでも生き抜けるだけの力を身に付けていくつもりです。

まとめ

「ギリシャ危機に学ぶ将来の日本」

ギリシャの事例は、将来起こる可能性がある日本の金融危機のサンプルともなります。「私ならどうするのか」という事を真剣に考えておくべきだと思います。

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