望月軍四郎に学ぶサヤ取り失敗事例

望月軍四郎に学ぶサヤ取り失敗事例

成功者の多いサヤ取りですが、失敗した人もいます。どういうパターンで失敗するのかをお話します。

サヤ取り相場師に学ぶ

最近までメルマガで有名な相場師達の話しをずっと紹介してきました。読者歴の長い方は覚えておいでの方も多いと思います。その中にはサヤ取り中心の相場師もかなりいました。

例えば「望月軍四郎」さんなどもそうです。

彼は、若い頃から相場の魅力に取り付かれて大損を繰り返していました。暴落相場で売りで勝った後は「サヤ取り中心」の戦法に切り替えています。その後、暫くはサヤ取りを続けて実力をつけているのです。

そのまま続けていればよかったのですが・・・彼は、また勝負に出ます。

相場の暴騰に売りむかい、一時は追証攻めにあい苦しい思いをすることになります。彼の窮地は安田善次郎の融資でなんとか切り抜けます。しかし、その後に望月軍四郎は「疲れた」といって44歳の若さで相場の世界を引退する事になります。

ちなみに、相場師引退後に実業界に入りしてから彼は大成功をします。日清生命(今のT&Dフィナンシャル生命の一部)社長など経営者としてその後の人生を歩んでいます。

この中に「サヤ取りで失敗する典型的なパターン」があります。

失敗はしていないような気もするかもしれません。

でも、彼が「サヤ取り」を続けていたらどうなったかを考えて欲しいんです。

その後の「追証攻め」で苦しい思いはしなくて済んだはずですよね。

サヤ取りで失敗する一番多いパターンがここなんです。

サヤ取り失敗者の典型的パターン

サヤ取りで失敗する人に一番多いのがこういうパターンです。

「小さな利益の積み上げが馬鹿らしくなって途中でサヤ取りを止めてしまう。その後の勝負で大負けをする。」

「サヤ取り失敗者」と書いてしまいましたが、実際のところ「サヤ取り」ではルールを守って売買する限り大損はほとんどしません。

実は、「サヤ取りそのもので失敗した相場師」の話しは聞いた事も読んだ事もないのです。それだけ、サヤ取りという投資法は大失敗しにくい投資法だといえます。

でも、サヤ取りはとても地味な売買でもあるため、続けていける人が少ないのも事実です。多くの失敗者は「サヤ取りを止めた後」に派手に動いて大損しています。

サヤ取りそのもので失敗するとすればこういう程度の事はあります。

「サヤの周期を見誤って損が拡大。」

基本ルールを守っている限り、これ以外の損はまずありません。あと大損するパターンがあるとすれば、これです。

「途中で片方を決済する。その後に残ったポジションが損を増やして大損」

これは、「ルール破り」で失敗する典型的なパターンです。

サヤ取りは、「売りポジション」と「買いポジション」を同時に仕掛けて同時に決済します。この基本ルールを守っていく限り、どれだけ急激な円高や円安になろうと大きな損は出しづらいのです。

でも、片方を決済すればそれはもはや「サヤ取り」ではなくなります。

サヤ取りの失敗パターンはこう言い変えても良いかもしれません。

「サヤ取りの基本ルールを守っているうちは大きな怪我はしにくい。しかし、小さな利益の積み上げに飽きてきた時が要注意。サヤ取りを止めた後の勝負で大損をする人が多い」

ここは、充分に注意して下さい。

サヤ取りを地味にコツコツ続けていくのは意外に根気がいります。人によっては「禁欲生活」に近い圧迫されたような気持ちを持ち続けるのかもしれません。

次回、実際のサヤ取りのイメージに入っていきます。

まとめ

「サヤ取り失敗者の典型的パターン」

実践していく上で何に注意すべきかは、失敗者が教えてくれます。反面教師として記憶に刻んでおきましょう。

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